小説 オッキーマ伝説

第3話

第2章・第2節

オッキーマが会議室に入ると、想像していた光景とは違っていました。喜びにわく家族の者たちの姿は見えず、替わりに議員や軍人・役人たちが大勢席についていました。 総督:「オッキーマ君、苦労様です。こちらへ」と総督が声をかけました。うながされるまま、総督の席の右隣に座ると「大変重要な報告があります」と、言葉を続けました。 情報局長から話してもらいます 情報局長:本日8日の午前3時より、探索の範囲をこのエリア外にも、拡大しました。承知の通り、エリア外での活動には、連邦の許可が必要です。連邦は高高度探査機の使用を認めませんでした。しかし我々は、連邦の監視衛星のレーダーには映ることのない「ステルス型偵察衛星」を2機用意し、発進させました。1号機は、打ち上げ12分後に、周回軌道に乗り正常に、データを送信して来ました。重要なデータです・・・・。続いて5分後に2号機を打ち上げました。 情報局長は、ここまで話すと、コップの水を口に運び、言葉を休めました。 (いつもの物見らしくないな。何か予測できない事態が起きているのだということを直感しました)不安に思いながらも、次の言葉を待っていると。 情報局長:この衛星から送られたデータを分析してみると、このエリアに、生命反応が6個あることを確認しました。」「6個?」オッキーマは尋ねました「5個ではありませんか?」「総督のご子息のユッケ君も含まれていると思われます。」「総督のご夫人が今朝3時の時点で、ユッケ君の不在と、メモがあったことをご連絡いただきました」「そのメモの内容により高高度探査機の発進を行ったのです」「メモをご覧ください」そう言って物見はオッキーマにメモを手渡した。「・・・そうか子供たちは計画的に今回の事件を起こしたのだな・・・」物見の話は続いた「しかも、そのデータからはその生命体の持つ波長が、我々人類が持つのものと完全に一致するものであることが判明しました。この固体は明らかに人類です。そして彼らは生きています。 「良かった生きている。6人とも!」誰かがそう叫んだ。部屋はドッと歓声が湧き上がりこの部屋にいるものたちは、みな一様に安堵の胸をなでおろし、口々に「良かった!生きて見つかった!」といった。そうした中で情報局長は総督のほうを見て何かを確認するしぐさをしました。すると総督は小さくうなずいて 総督:「やはり、その先は私が話そう。」 と言って立ち上がり、情報局長に代わってって話を始めました。 総督:「つまり彼らは間違いなく私たちの息子や、娘だということだ。そして彼らは今は生きている。全員が生きていることが確認できたのだ。」 「ただ、そこが・・・第8エリアなのだ。」 つかの間の歓喜や安堵感は、極度の不安に取って代わられたのでした。 「・・・全生命が死滅し文明の終焉を迎えた第8エリア・・・・死滅してしまったエリア・・・・。」 その第8エリアに子供達がいる!?私の脳は、その意味を解釈するのを拒否しているようでした。まるで聞いたこともない言語で話しかけられたときのようにひどい、混乱の中、時間がたちました。やがてゆっくりと少しずつ、現在起きていることの意味を理解し始めました。子供達が見つかった、・・・良かった・・・、第8エリアにいた・・・何と言うことだ!私の脳は、今起こってていることの重大さを認識し、想像出来る最悪のシーンを、鮮明に脳裏に描き出したのでした。全身に戦慄が走りました。オッキーマは興奮した調子で総督に尋ねました。 警備隊長:総督!それは、第8エリアにいるというのは間違いないのですか? 総督は警備隊長に近づき、その肩に手を置いて、なだめるように、ゆっくりと話し始めました。 総督:「この報告を受けたとき・・・、第8エリアにいるということが間違いであってくれれば・・・、と、私も考えたよ。しかし、データーをあらゆる角度から分析してみたが、結果は変わらなかった。情報局長あれを見せてくれ」情報局長の物見が立ち上がり副長に指図しました。 情報局副長はすでに自分の出番であることを予測していたらしく、会議室の入り口の側にある壁際に立って、なにやら機械をいじっていました。 情報局副長:「はい、かしこまりました、準備はできています。まずはじめは衛星から届いた6個の生命反応のデータをホログラムで見ていただきます。」 同時に、情報局長・物見が皆の中央に進み出て、コントローラーを手に、モニターを起動しました。ホログラムが空気中に映し出されたのをみて、物見は説明を始めました。 情報局長:「皆さんがご覧になられているものは、第八エリアの上空3万メートルからの、探査機からのデータです。ここに注目してください。副長、最大に拡大してくれないか」 副長:「はい。すぐに」 そう言って情報局副長の手が動くと、局長の指し示す棒の先には確かに人のような形のものが6個ゆっくりと動いているのが認められました。 これを見ていた警備隊長は、この動いている人の形をしたものが最愛の息子を含む6人の子供達であることを直感した。そのとたんに顔を見たいという感情が激しく湧き上がってきた 警備隊長:情報局副長、これをもっと拡大することは、できないのか 警備隊長は勢いよく立ち上がって言った 情報局長:はい残念ながら。これは限界まで拡大したものを、コンピューターで処理していますので。 と申し訳なさそうなしぐさで答えた。 わたしは、情報局長が副長に指示したときの、最初の言葉を思い出した -「最大に拡大してくれ」そう言っていたのだった- 警備隊長:「そうか、そうだったな」 警備隊長:「すまない・・・」 その後は言葉にはなりませんでした。


ページトップへ
伝説3-5
伝説メニューへ-
サイトのトップへ