小説 オッキーマ伝説

第3話

伝説3-6

宮殿大会議室

大会議室にはこの国の重要人物の殆どが集まっています。このとき 2年前の出来事が私の脳裏に甦りました。2年前ここに、このメンバーのほとんどが集まったことがあったのです。警備隊長オッキーマは当時26歳、軍隊に入って3年目の下士官でした。この時、この星の北半球に存在する9個のエリアの1個第8エリアが、未知のウィルスに冒されました。そのエリアでは異変に気づいてから、わずか6週間で、すべての生物が死滅したのです。(その時点ではすべてではなかったのですが、事実は第二話-未知の微生物-で判明します)その北東にある第7エリアもその2日後には通信不能となりました。この事件は銀河連邦全体に知れ渡りました。連邦の首脳会議が開かれました。このままでは星全体が死滅する。そう判断した連邦は我々のエリアに命令を下しました。それまでの銀河連邦は、なかなかその重い腰を上げず「ことの推移を見守り云々・・・」「事件の真相を究明して云々・・・」と言う調子でさっぱり要領を得ないのですが、この事件に関しては、それまでの連邦の対応とはまったく違うものでした。このとき連邦は「生存者は、直ちに脱出しろ」ウィルスに汚染されたエリアに、まだ「生存する人々が残っている可能性が大きいのですが。」と言うわれわれの言葉にたいして「それを調査している時間はないのだ。」モラルは「科学調査隊と医療チームを既に準備しました。」今から2時間後に派遣します。」連邦:「その計画は被害を拡大する恐れがある。計画は破棄したまえ。直ちに第1エリアは、現在その惑星の近辺に展開している連邦軍と合流し、その指揮下に入り給え。その他のエリアには、この星を直ちに脱出し、ワープ・ポイントに向かいそこで待機するよう指示したところだ。」続けて連邦が口にした言葉に耳を疑いました。「第一エリアは、連邦軍と合同で、惑星を破壊した後は」と。地球と同じ面積を持つこの星を「破壊する」といったのです。しかし、ここ第1エリアの総督でありましたモラル(現在ははモラル国王と呼んでいる)は、連邦に対して、反論したのでした「この命令には従えません。なぜなら、生命が存在する可能性が残っています。我々が助かるために同胞を見捨て、さらに我々の手で殺すことはできません。」連邦:「君らの種が全滅してもよいと言うのか!」モラル:「そうではありませんこの惑星を、破壊する事はないと言っているのです。それにこの惑星には、まだ探査していない大陸が多数あります。それらの大陸には、この星の歴史を知る生命たちが生存している事は確実です。銀河連邦の法律には、これらの先住生命体の取り扱いについては、当該惑星の生物と共存し共栄を図る義務がある」となっています。連邦:「綺麗事ではすまないのだ。こうしている内にも細菌は増殖し続けているのだ。しかも刻々と繁殖のスピードを上げ、威力を増しているのだぞ!」「明日には君のエリアも死滅するかもしれないのだ」モラル:「この大陸のすべてのエリアを各エリア毎にバリアを使用し一定期間封鎖します。」 連邦:「広大な面積をバリアで封鎖することなどできるわけがない。すぐに命令に従い連邦軍と合流しろ、他のエリアはワープポイントに向かえ」 総督モラルは続けて言った モラル:「お待ちください!実は・・・。」 「反陽子炉発電システムが完成しております」 連邦:「なんだと!連邦からは、その開発は危険が大きすぎると、中止命令が出たはずだ」「こちらには開発は中止したとの報告があった。が、続けていたのか!」 モラル:「この惑星に地球のような自然を作るためには膨大なエネルギーが必要となります。」 連邦:「その星に地球と同じ環境を作る必要はない、そのように連邦議会において、決議したではないか!」「そのとき君も同意したはずだ」 モラル:「しかしこの星の住民は、地球人です。間違いなくあなた達の祖先です(この言葉の意味が不可解でしょう?後日明らかになりますのでお楽しみに(^^)・・・)。地球に住んでいたころには、当たり前だった足元の大地や、草原、そこを流れる川など100年前の地球の環境を懐かしく思い、それをこの星に実現したいと思うのは地球人として当然です。それを実現させるため・・・」モラルが言い終わらぬうちに、モニタの声がさえぎりました。 連邦:「連邦の決定に従うのが連邦に所属する惑星の守らなければならぬ規則であろう!」 モラル:「その通りです。しかし連邦の憲法には、平和利用が主たる目的であるならば、例外として認めても良いとあります。当該施設は現在0.1%の出力で運転中ですが、安定しています」 連邦:「もう良い、命令に従わぬのなら、直ちに、エリアの長を解任する。同時に連邦に対する反逆罪で起訴する。」モラル王はそれには答えずに、将軍の目を見た。モニターからまた声が、聞こえた「連邦軍が明朝、新しいエリア長を派遣するそれまではW3C惑星がそのエリアを管理する。君はW3Cによって身柄を拘束される。」モニターがそこまで言うのを聞くと、国王モラルに対座していた私の父オッキーマ将軍は目にもとまらぬ速さで腰のレーザーガンを引き抜き、モラル国王めがけて発射しました。鋭い閃光と共に、金属片が飛び散り、モラル国王は倒れたました。オッキーマの部下たちは一斉に腰のレーザーガンを引き抜き身構えました。 連邦:「だれだっ!貴様!何をしたっ!」その言葉とほぼ同時に 将軍の背後から数本の光が走り、大会議室は闇に覆われました。


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