小説 オッキーマ伝説

第3話・

伝説3-7

宮殿大会議室 2

非常用照明のほのかな明かりが人影を浮き出させていました。モニタの画面はなにも映し出していません。そばの操作版が白煙をくゆらしています。オッキーマの部下たちの手によって、モニターの機能は停止したのです。 「国王、お怪我はありませんか?」駆け寄った将軍に抱きかかえられるように、国王はゆっくりと立ち上がりました。「大丈夫ですよ、君が銃の名人ですから。信じて合図したのですよ」微笑みながら将軍に言ったのです。足元には金属の破片が粉々になってちらばっています。国王が身に着けていたブレスレットとヘッドレストの破片でした。モラルが国王となるとき、連邦への忠誠を誓う証として四六時中行動を監視されることを受忍したものです。モラルが表情を強張らせて「将軍、作戦開始です!封鎖してください。W3Cのこともお願いしますよ」と言いまた。その命を受け、将軍は部下たちに話し始めました。「これより作戦を開始する」「国軍第5師団と国王警護隊および特殊戦闘部隊は直ちに、第9エリアへ向かう」「北の山脈の中央にそびえる八つの尖塔状の山々の中央にある黒の泉に行くのだ。」「その湖底には反陽子炉がある。」「その出力を増加させる事が目的である」「制御装置は、湖底の北側にあるシューターを下りたところにある。制御室にあるのだが、その部屋には装置らしきものは何も見当たらない。その装置はその部屋に入室したものを判別するのだ。モラル国王と私の生体反応を識別する。つまり、生きたままの、国王と私の二人がそろって入室しなければ、装置が出現することはないということだ。」「装置が出現すれば、後の作業は私一人でできる、国王を直ちにエリアまでお連れしろ!」「反陽子炉が稼動したなら、直ちにその場を離れるのだ」将軍の話はここで終わり、「陽子炉ついて説明しておきます」と言って一人の男が進み出ました。この男は科学戦略研究所の主任研究員でトシミという男でした。その男はすぐに話し始めました「黒の泉の中央の尖塔は、反陽子炉が起動してから30分後に隆起を始めます。内部のエネルギータンクに陽子炉から発生したエネルギーを蓄えながら次々に成長してゆきます。その後140分で約2万メートるの高さまで達します。」「その尖塔内部には12万個のタンクが形成されます。反陽子炉から生み出された強大なエネルギーは、このタンク内に蓄積されます。」「この反陽子炉は、現在この星全体の電力を供給するために、能力の1/1000の出力で運転を行っています。。このような大規模な反陽子炉はこの施設だけだろうと思います。」「今回は最初に10%まで出力を高め、その後1%ずつ段階的に出力を上げてゆきます」。「蓄積されたエネルギー量がバリアの張り巡らすに充分な量と考えられる25%に達したとき、エネルギーの放出が開始されます。この強力な電磁波は、この大陸の大気圏を完全に覆い各エリアの海岸にある尖塔を中継して各エリアごとに分割するバリアが形成されます」「このバリア形成後は第9エリア以外からの進入はいかなる物質も通過する事はできません」 将軍がそれに続けて話し始めました「この作戦を遂行する上で、重要なのは時間である。W3C惑星の確保と反陽子炉の稼働率上昇とが一定のタイミングで、合わなければならない。その観点から衛星確保の部隊の危険度は非常に高い」「重化学戦闘の装備で行くが、火器などの使用は不要であろう」「オッキーマ中尉。君は君の部隊を率いてW3C衛星を確保しろ、W3Cの機能を停止させるのだ。可能であれば連邦の動きを監視できるよう切り替えを行え。もしも時間内に作戦を完了できないのであれば、主力の衛星のみ破壊しろ」「バリアが完結するまでには、必ずエリア内に帰還しろ」「以下は各部隊長の指示に従え、以上だ」「ゆけ!」「頼んだぞ」将軍の言葉には軍人としての厳しさと父として我が子の安否を気遣う心の両方を読み取る事が出来たのでした。「・・・父上もお気をつけて・・・。」オッキーマは心の中でつぶやいたのでした。こうしてオッキーマはこの作戦に参加したのでした。

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